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石造りの家並みが美しい    馬祖・北竿芹壁村

文/鷲田晶子    写真提供/吳志學、何昌穎

台湾本島から西に約200キロ、中国福建省から東に10キロの沖にある馬祖諸島。大小30余りの島々からなり、人口は約9000人。対岸の中国福州からは海路で1時間半の所にあるため、馬祖諸島は軍事官制下に長く置かれてきました。1949年より台湾が統治していますが、一般の人が自由に行き来できるようになったのは90年代に入ってからのことです。

 



馬祖諸島で二番目に大きい島 ―― 北竿の北西にある芹壁村。穏やかな入り江に面し、石造りの家が急な斜面に沿って階段のように立ち並ぶ集落は、紺青の海に映えて台湾のギリシャとも呼ばれています。これらの家は台湾本島では見られない石造りの閩東建築です。花崗岩などを積み上げて作られた閩東建築の家は二階建てで、建物の形が正方形なことから「一顆印(ひとつの印鑑)式建築」とも呼ばれています。屋根は薄い瓦のようなものを重ねて置いて石で押さえてあるだけで、隙間があります。これは海からの風で屋根が飛ばされないように、また、台風で飛ばされても簡単に修復できるようにとのことです。


馬祖の歴史と文化
芹壁村の一番高い所には「海盗屋(海賊の家)」と呼ばれている美しい建物があります。外壁は青白石が積まれ、所々に「人」の字に組まれた石があります。これには「人丁興旺(子孫繁栄)」という願いが込められています。内部の柱と天井は福州杉で釘が一本も使われていません。職人の技術は高く、積み上げられた石は丹精に磨かれ線香が通る隙間もないほどです。現在は馬祖の歴史や文化がわかる貴重な資料が展示されています。


生まれ変わった石造りの家
かつては漁村や交易の場として栄えていた芹壁村ですが、軍事官制下に置かれていた間に没落し、石造りの建物は廃墟となりました。その後、地方政府や地元の芹壁村を愛する人々によって、いくつかの伝統的な建物が民宿やカフェとして生まれ変わり、2001年に一般公開されました。現在は、集落全体が保存の対象となり、古い石造りの建物の修復が着々と進んでいます。美しい家並みと青い海を眺めながら、のんびりと過ごしてみませんか。