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台北・パブリック・アート探訪

台北の街角に点在するパブリック・アート。
オブジェや彫刻、壁画やモザイクなど、その数は300点近い。
どんなアートに出合えるか、台北の街を散策してみよう。

文/鷲田晶子 写真提供/官廷霖

台北の街角に様々なアート作品があるのをご存知だろうか。台北市全体では、オブジェや彫刻、壁画やモザイクなど、300点近い作品が展示されている。日常生活の中でアートを楽しんでもらいたいと台北市が、パブリック・アートを設置したエリアは6つ。信義エリア、敦化南・北路、市民大道、国立台湾科学教育館、迪化汚水処理場公園、南港ソフトウエアパークだ。ほかにも、地下鉄(MRT)の駅構内でもパブリック・アートに出会うことができる。そのうちのいくつかの作品を紹介しよう。

    



パブリック・アートの宝庫、敦化南・北路外資系企業が多く入るオフィスビルが建ち並ぶ国際色豊かな敦化南・北路。たくさんの車や人が行き交う道路の中央分離帯は、見事な並木が続き遊歩道が設けられ都市のオアシスとなっている。 誠品書店(敦南店)近くの分離帯を北に向かって行くと、カラフルな椅子が遊歩道に沿って並んでいる。その先に、忽然と現れる赤い大きな鳥かご。「鳥籠外的花園(鳥かごの外の花園)」は現代人の心を癒すアートだ。鳥かごで飼われているのは一本の木で、オブジェの鳥たちが鳥かごのふちに止まっている。ここには、都会の喧騒が聞こえなくなるような、静かな空間が広がっている。 敦化南路と市民大道の交差点には、なんと!シマウマのお尻がある。よく見ると歩行者用信号だ。動物のお尻と信号の組み合わせは斬新で驚かされるが、思わず笑みもこぼれてしまう。シマウマといっしょに信号待ちをしよう。信号の先にはシマウマ模様の横断歩道が続く。信号が青に変わったら、シマウマの胴体の上を歩いて向こう側へ渡るというわけだ。作品名は「時間斑馬線(時間シマウマ)」。中国語で「斑馬」は「シマウマ」、「斑馬線」は「横断歩道」を表す。ユーモアあふれる作品だ。


 

信義新都心に点在するモダンアート

台北の新都心として開発が進む信義エリア。中心となるのは台北市政府(市役所)と台北金融大楼 (台北101)。周囲にはショッピングモール、大型デパート、シネマコンプレックスなどが建ち並ぶ。広々とした道と建物の周りのオープンスペースが魅力的なエリアだ。

国際会議センターの入り口近くに、後ろ足で立ち上がり、拳を突き出しているウサギの姿が見える。「站在圓球上與爪子上的野兔(ボールを掴む爪の上の野ウサギ)」はドラゴンボールと龍の爪、そしてウサギを組み合わせた銅像だ。作者のバリー・フラナガンがイギリスの野原で闘う野ウサギの様子を見て、人間がボクシングをしているようだと感じたことから出来た作品だ。勇ましく躍動感あふれるウサギの姿の中に、ユーモアが感じられる。ちなみに、バリー・フラナガンの野ウサギシリーズの作品は日本でも見ることができる。

松德路168巷のビルの前の芝生には積み木を重ねたようなオブジェがある。よく見るとアルファベットがhinet.netと並んでいる。hinet.netは台湾最大手のインターネットサービスプロバイダーの名前だ。真ん中のピリオドがボタンになっている。作品名「扣(ボタン)」の由来がここにある。ボタンの穴のデザインはLANケーブルの差込口だ。作品コンセプトは「つながる」。シンプルなデザインの中にキラリと光るアイデアで、無機質な大理石のアートが温かみのあるものになっている。